■蔵人日誌9月1日号

今回は諏訪蔵(長野)より製造課の浅沢が担当します。

只今、工場では、秋商品である「ひやおろし」と「秋あがり」の瓶詰めが終わり、出荷をしている最中です。

「ひやおろし」とは、江戸時代に、冬に搾られた新酒を春先に火入れし、ひと夏を越して外気と貯蔵庫の中の温度が同じくらいになった頃、2度目の加熱殺菌をしない「冷や」のまま、大桶から「卸して」出荷したところから、こう呼ばれ、秋の酒として珍重されてきた、昔の酒通の方のお酒です。

とここまでが、ネットで検索すると、出てくる説明です。では、現代ではどうでしょうか?

私見もありますが、最近のお客様と江戸時代の通の方とは、好みが違うように思います。最近の市場では、フレッシュな新酒な味わいが好まれているように感じます。

舞姫でも、本醸造を除く特定名称酒以上のお酒は、全て、搾ってすぐ、氷点下の冷蔵庫で、一升瓶で貯蔵し、新鮮な状態を保てるようにしています。(本醸造もタンクで、0度で貯蔵します。)
仕込みに使う酵母も、新酒の状態に味わいのピークがくるものを使用しています。(仕込み方法でピークは変わります。)
このような冷蔵貯蔵では、「ひやおろし」(秋あがり)はできないのでしょうか?そんなことはないです。お酒の味わいは冷蔵庫でも変化していきます。できたての新鮮な荒々しさが、よりまろやかにカドが取れ、呑みやすくなります。そして、それを配合し、瓶詰しております。

ぜひ、江戸時代とは、違う、令和の舞姫のひやおろし(秋あがり)をご賞味ください。